突然、「アッ～、先生　こんにちは！」と若い女性に声をかけられました。「こんにちは！」と返事をしたものの、『誰かしら？』と誰だかわかりません。あちこちの大学で授業をしている私は、街角でよく声をかけられます。私の授業を受けているたくさんの学生達は、私の顔を覚えていますが、私はすべての学生達を把握していません。私の表情で、「誰かしら？」と戸惑っているのを察知した彼女は、大きな声で元気良く「○○大学の○○奈緒美です。こんにちは！」と再び、挨拶をしてくれました。それを聞いて、いつも教室の後ろに座っている彼女の顔が脳裏に浮かびました。「あぁ～、こんにちは。思い出せなくて、ごめんなさいね」と言う私に、彼女は「いいぇ～」とニコニコ顔。きちんと挨拶をされると、嬉しいですね。心はあたたかくなり、こちらの対応もやさしくなるようです。「挨拶は誰にでも、さわやかにするのよ」と言っている私の言葉を実行している彼女、笑顔もキュートに輝いていました。

ある大学では、見知らぬ学生達からも「ごきげんよう」と声をかけられます。いつも「ごきげんよう」とは挨拶をしていない私ですが、彼女たちには、「ごきげんよう」と挨拶を返します。また、ある専門学校では、徹底した躾教育をしています。「おはようございます！」「こんにちは！」と時間にあった挨拶言葉。荷物を持っている私に、学生達は「お荷物、お持ちします」と清々しくに声をかけてくれます。廊下やエレベーターでは、「どうぞ」と譲ることを自然に振舞います。

「若い人たちは～」と若者非難も聞きますが、学校の指導方針によって、個人の意識の持ち方によって、大きな違いがあるように思います。躾をすること、されることの重要性をしみじみと感じます。

「奈緒美さん、どこに行くの？」と尋ねた私に、「これから、企業訪問です」と元気よく答えました。いつものジーパン姿ではなく、きちんとスーツを着ています。しかし、ヘアースタイルが気になりました。あわてて出てきたのでしょうか、少し乱れています。一緒に洗面所を探して、彼女の髪を整え「さぁ～、いってらっしゃい！」と見送りました。

誰にも会わないだろうと、「まぁ～いいか～」と思いながら、だらしない格好で出かけたときに限って、どうして知り合いの方に会うんでしょうか。私の経験ですが、たびたびです。今日は大丈夫！というときは、誰にも会わずに…。神様は、見ているんでしょうか。いつも不思議に思います。

『ボロは着てても、心は錦』と言う言葉があります。外見を飾るより、性格や人柄がよければとの考え方があります。しかし、初対面の人は第一印象を６秒間で決定すると言います。「この人と話がしてみたい～」と思うか、そうではないかは、この第一印象で決まります。いつも会っている人は、人柄を理解してくださっているので大丈夫ですが、初対面の人は外見で判断してしまいます。第一印象を左右する挨拶や身だしなみ、気を付けましょう。

第一印象をよくするためのポイント
1, きちんと挨拶をする
2, 身だしなみを整える
3, 振る舞いに気をつける